トランスサイエンスと原子力のリスク
渦形成

 工学・技術によればより良い未来が築かれ、社会はその恩恵を享受する、そのような時代は終わりました。技術と社会とがどのように関わっていくかによって技術の価値が問われています。工学・技術には、不確かさ、想像力、未知に対する謙虚さ、意思決定といった要素が大切です。

 新しい工学・技術の時代には、どうすれば社会に受け入れられるのか、私たちの暮らしに役に立つのかを見つめ直すという、工学・技術の新しい展開が生まれます。そのために行うべき研究は、技術・工学をシミュレーションすること(現象を知る)、その功罪を明らかにすること(リスクを知る)、技術を社会に還元するための判断を行う根拠を確立すること(意思決定する)です。そこに共通する思想は、知識の欠如や未知の現象を扱うための学理(不確かさ)を構築することです。

山口彰教授

 エネルギーはより良い社会を構築するための源泉であり根幹です。その光と、不確かさという影を定量的に評価し、意思決定するという問題に取り組む人材が求められています、東日本大震災で原子力発電所の事故を経験した日本であればこそ。

共感と関心を思う方は、訪ねてきてください。

山口 彰/教授 1957年 島根県生まれ

工学博士。専門は、原子炉工学、リスク評価など。
東京大学工学部原子力工学科卒業、同大学大学院工学系研究科博士課程修了後、動力炉・核燃料開発事業団(現・日本原子力研究開発機構)にて高速炉研究に従事。
2005年4月から大阪大学大学院環境・エネルギー工学専攻 教授。
2015年1月より現職。原子力規制委員会発電用軽水型原子炉の新規制基準に関する検討チーム委員、文部科学省原子力科学技術委員会委員長、
資源エネルギー庁の原子力小委員会委員、自主的安全向上・技術・人材WG座長、日本原子力学会リスク専門部会長、国際PSAM組織委員会理事などを務めている。